こだわり

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神戸牛について

神戸牛について

神戸牛の特徴について

私たちの口や心を幸せする食材であり、特別な食事の記憶となって刻み込まれる「神戸牛」。
この神戸牛は和牛のうちの1つですが、一口に「和牛」といっても、その味わいには大きな違いがあります。

神戸牛の特徴について見ていきましょう。

美しいサシ、おいしいサシ

神戸牛を語るうえで外すことのできない特徴は、「最高級の霜降り肉である」ということです。美しく細かく散った霜降りは、一目見るだけで、神戸牛がいかに高級で、いかにおいしく、いかに特別なものであるかが分かります。

肉に入るサシは、その肉のおいしさを決定づける要素のうちの一つです。ただ、この「サシ」にもさまざまな品質や特徴があります。
神戸牛のサシは非常に融点が低く、わずかに火にかけただけで溶けてしまいます。この「溶けやすさ」が、神戸牛独特のあの柔らかさを構成している一要因なのです。溶けだしたサシは、その周囲の筋肉のことも柔らかくほぐします。筋肉と油の絶妙なバランスが作り出す、なめらかで優しいその味わいは格別なもので、舌でとけるような食感となっています。

美しいサシ、おいしいサシ

神戸牛のうまさはそれだけにあらず

神戸牛のおいしさを語るとき、必ず取り上げられるのが、上で挙げた「サシ」の存在です。
しかし神戸牛のおいしさは、サシだけが作り出すものではありません。

神戸牛は多くのイノシン酸を含みます。
イノシン酸は「うまみ成分」のうちの一つとして知られており、さまざまな食品会社に注目、利用されているものでもあります。よく耳にする「グルタミン酸」と同じアミノ酸の1種である、と説明すれば、どんなものかピンとくる、という人もいるかもしれません。

このイノシン酸は、肉類や魚類などの、主菜によく使われる食材に含まれています。神戸牛も例外ではありません。

神戸牛のうまさはそれだけにあらず

非常に特徴的なのが、神戸牛に含まれるイノシン酸の含有量を計ったデータです。これによると、神戸牛に含まれるイノシン酸の含有量は、一般的な黒毛和牛に比べるとずっとイノシン酸の量が多い、という研究結果が出ているのです。

サシの美しい入り方と低温で溶けて周りに行き渡ること、そして同時に豊富に含まれたイノシン酸が作り出す豊かなうまみ、この2つを合わせもつ神戸牛は、さまざまな牛肉を扱う専門業者をもってして、「最高級のお肉」「ほかのブランド牛とは一線を画す味」として高く評価されているのです。

優雅にしてパワフルな神戸牛は、食べる人をいつでも桃源郷に導いてくれることでしょう。

神戸牛の歴史と名称について

現在の「おいしいお肉」ができあがったのは、神戸牛に限った話ではありませんが、畜産業者の育成努力と、また尽きせぬ品種改良への努力のたまものです。

今回は、そのような努力によって育てられた極上の肉である「神戸牛」の歴史について見ていきましょう。

神戸牛? 神戸肉? 神戸ビーフ?

ここの記事では、多くの人にとってなじみ深い「神戸牛」という表現を利用して解説しています。
しかしこの表現は、さまざまな解釈がある言葉でもあります。

神戸で育てられたこの最高級の和牛は、「神戸牛」「神戸肉」「神戸ビーフ」という呼び名で呼ばれることもあります。
しかしこの表現については、実はそれぞれに解釈が分かれているのです。
代表的な表現とその解釈についてまとめました。

神戸牛・・・
①俗称のうちの1つである。三重県などで育てられる松阪牛なども合わせた表現である
②神戸ビーフや神戸肉と同じもの。表現の違い。
神戸肉・・・
①俗称のうちの1つである。三重県などで育てられる松阪牛なども合わせた表現である
②神戸ビーフや神戸肉と同じもの。表現の違い。
神戸ビーフ・・・
①肉の正式名称。現在はこちらの表現が使われている
②神戸の肉を流通することを目的とした団体が設けた基準をクリアした肉だけに与えられる称号

実はこのような「解釈の違い」は、専門業者のなかでもあります。
ただここでは、よりわかりやすく一般的な「神戸牛」という表現を使っています。

神戸牛の歴史について

さて、神戸牛の歴史は、平安時代にまとめられた史書にまでさかのぼることができます。すでにこのころは、「但馬牛(兵庫県で育てられている牛であり、これのなかで最良のものが神戸ビーフとなる)」というかたちで取り上げられています。
また、それからさらに500年ほど経った後は、この牛に関する細かい表記もなされた書物が記されています。

今となっては最高級の牛肉である神戸牛ですが、実はこの神戸牛は、昔は「食用」としては積極的には使われていませんでした。「牛の肉を食べる」という文化が始まったのは明治時代だとされていますが、この認識が一般的になるには大正時代をまたなければなりません。

華やかな鹿鳴館に代表される「文明開化」の時代には、ファッションや文学に大きな変化がありました。食文化もまた例外ではなく、この時期から急速に肉文化が普及していきます。

ただそれでも、「神戸ビーフ」が体系的に確立するまでには非常に長い時間がかかりました。
意外に思われるかもしれませんが、系統だってこれが定義づけられたのは、なんと昭和58年のこと。
「もう生まれていた」という人もいるのではないでしょうか。

神戸牛の名称が今でもさまざまな解釈がなされるのは、このように、「長い歴史がありつつも、その定義づけがされてからはそれほど日が経っていない」ということにも関係しているのかもしれませんね。

神戸牛をおいしく食べるための名パートナー

神戸牛とほかの食材の相性~
神戸牛をおいしく食べるための名パートナー

神戸牛はそれだけで非常に優れた食材であり、単品で食べてもとてもおいしいものです。
しかし同時に、ほかの食材と合わせることによって、その味わいがさらに引き立つものでもあります。
今回は、「神戸牛とほかの食材の相性」について検証していきましょう。

米と合わせる、を考える

神戸牛はよくステーキというかたちで出されます。 このときには、締めの料理としてよく「お米」が出てくることでしょう。

「どのようなお米が適切か」ということに関しては、店ごとによって考え方に違いがあります。はるか遠くの米どころからおいしいお米を取り寄せる店もありますし、地産地消にこだわる店もあります。 また、その供し方も、白米というかたちで出したり、ガーリックライスにしたり……と実にさまざまです。

当店では、ガーリックライスやちりめんご飯としてコースでお出ししています。 たとえばガーリックライスの場合、その豊かな香りが神戸牛の味わいを引き立てます。また、脂身をたくさん含む神戸牛であるならば、ガーリックのその強烈な風味にも負けることはありません。お互いの香りと味わいを引き立たせ合うことができるため、ボリューム感のある料理に仕上がります。

一方、ちりめんご飯に合わせた場合は、ガーリックライスと合わせた時とは異なり、「爽やかさ」がテーマになります。
神戸牛は豊かで細かく、とろけるようなサシが魅力です。非常に上質な脂なのですが、人によっては少しこのボリューム感が気になるかもしれません。そのような場合でも、ちりめんご飯は魚の爽やかさでもって、神戸牛のサシの濃厚さをある程度中和してくれます。

旬の野菜が味を引き立てる

神戸牛を食べるとき、そこにはほとんどと言ってよいほど、「旬の野菜」が添えられることとなります。
このときに使われるのは、その季節・その季節の旬の野菜です。
旬の食材というのは、何にも代えがたいうまみと食感の良さを持っています。それを「焼野菜」というかたちで提供したり、神戸牛のステーキの付け合わせとして出したりする店は非常に多いと言えるでしょう。

フレンチならばブロッコリーやグリーンリーフといった青みのある、しかし神戸牛の味わいを邪魔しない食材を「差し色」として使うこともあります。
また、和食においては、タマネギやニンジン、インゲンなどが添えられえる場合もあります。

旬の野菜が味を引き立てる

コース料理として、魚料理や貝料理を順番に出していく店も多いと言えます。神戸牛が出される食卓に相応しい贅沢な食材が選ばれるため、地元で採れたアワビや伊勢海老、贅沢なフォアグラなどが選ばれることが多く、これもまたコースの楽しみとなりうるでしょう。なお、魚料理は、神戸牛の前に出されます。

神戸牛とお酒の相性~
お酒選びが神戸牛の味を変える

「マリアージュ」という言葉をご存知でしょうか。

これは「結婚」を表す言葉であると同時に、「料理と飲み物の相性のことを言い、そしてそれが非常に優れた組み合わせであること」を指す言葉です。
特に、お酒と料理の相性がよいときに使われる表現であり、フレンチなどの本によくみられます。

さて、今回は「神戸牛とのマリアージュ」について見ていきます。

定番、日本酒とビール

世の中には数多くのアルコール飲料がありますが、およそビールほどはん用性の高いアルコールもあまりないのではないでしょうか。
肉にも魚にも合わせやすく、和洋中を問わずさまざまな料理とマッチします。
「どんな飲み物と相性がよいのかわからない」という人は、まずはこれを合わせるとよいでしょう。

また、日本酒も非常によく合います。
一時、その品薄具合が騒がれた「獺祭(だっさい)」は、「磨き(精米歩合を示す値。日本酒に使われる米を磨いて、雑味となる部分を落としていくことを言う。磨き抜かれた米で作られた日本酒は、爽やかな風合いを持つ)」によって味わいが異なります。当店では、限界まで磨いて作られた「磨き二割三分」を採用しています。
神戸牛の特徴はそのとろけるような味わい、上質な脂の旨味です。この濃厚さをよくフォローし、「しつこさ」を残すことなく調和する日本酒は、神戸牛の名パートナーと言えるでしょう。

定番、日本酒とビール

ワインとのマリアージュを楽しみたい

神戸牛のステーキを語るとき、「ワイン」は決して外すことのできない名パートナーです。
白ワインや泡のワインも合わないわけではありませんが、やはり赤ワインを合わせるのが王道中の王道と言えるでしょう。

そのなかでも、ポイヤックの赤ワインは着目したいものです。
ワインの一大産地として知られるフランスのボルドーで育まれたこのワインは、非常に男性的な力強い味わいを持っています。香り高いワインとしても知られており、豊かなアロマを楽しむことができます。

ワインとのマリアージュを楽しみたい

タンニンの渋みを感じられるカベルネ・ソーヴィニヨンを主体(60パーセント~70パーセント程度)に、30パーセントほどのメルローを加えています。ボリュームがあり、パワフルで、野趣あふれるワインでありながらも、メルローの持つ柔らかな風味が優雅さを醸し出しています。
神戸牛の持つ脂にも負けず、お互いを引き立て合うこの赤ワインは、まさに最高のマリアージュのうちの1つだと言えるでしょう。

神戸牛の調理方法について

数ある和牛のなかでも最上級の味わいを誇る肉として名高い「神戸牛」。
この神戸牛にはどのような調理方法があるのでしょうか。
基本となるいくつかの調理方法を紹介します。

これを外して神戸牛は語れない!
ステーキ

「神戸牛の調理方法」を取り上げるとき、まず真っ先に取り上げるべきは「ステーキ」です。神戸牛の扱うコース料理の中心となるものであり、その肉のおいしさを存分に感じることができるものです。

ステーキは、「焼く」という単純な料理方法でつくります。しかし料理の世界においては、単純な調理方法こそ難しい、という見方もあります。技術と道具、味付け、そして肉の品質が問われます。

品質のよい神戸牛は、なかにうっすらとピンク色が残る程度に焼き上げます。
神戸牛に入っているサシの融点は低く、低温でもたやすく溶けます。この溶けた脂が肉全体に行き渡り、極上の舌触りを演出します。ただし、たくさんの脂をその身に抱く神戸牛は、火の通りが遅いもの。じっくりと焼き上げるのが大切です。

これを外して神戸牛は語れない!ステーキ

神戸牛にはまだまだおいしい食べ方があります

神戸牛の調理方法の代表例と言えばステーキですが、それ以外にもおいしく食べられる方法はたくさんあります。

まず、スキヤキ。薄い神戸牛をおいしく食べることのできる方法であり、新鮮な野菜、上質な卵と掛け合わせて作ることが推奨されるメニューです。

スキヤキのメリットは、神戸牛のうまみが、「肉」だけにとどまらないこと。
神戸牛の旨味は野菜にも移り、極上の野菜となって舌を楽しませます。具材をすべて食べきった後は、残った汁で、おじややうどんを作ってもおいしいものです。

神戸牛は、その味わいの深さ、味わいの豊かさから、ほかの料理に入れても決してぼやけることがありません。
肉じゃがなどやカレーといった定番メニューの肉を、神戸牛にするだけで一段階も二段階も上の味わいに仕上がります。特に肉じゃがの場合は、わずかな量の神戸牛でもしっかりとした味わい、旨味をたたえるメニューになるのでおすすめです。ご家庭で作るときなどは、少量の上等な神戸牛を買い求めて作るとよいでしょう。量が少なくても、肉の旨味で満足感の高い味わいに仕上がります。

赤身をおいしく食べられるローストビーフも、神戸牛のレシピとして人気です。
パーティーメニューとして多くの人に愛されるこれは、オーブンさえあればご家庭でも簡単に作ることができます。

極上の一品を、あなたに

神戸牛の焼き方、火の通し方~
極上の一品を、あなたに

「神戸牛の調理方法について」では、神戸牛の調理方法の代表例である「ステーキ」について取り上げました。

およそステーキほど、「火加減」が重要な意味を持つ料理はないかもしれません。
みなさんもご存知の通り、ステーキは火の通し方でその名称が異なります。火の通し方を変えるだけでまったく別の料理、別の味わいになることも珍しくありません。

ここでは、火の通し方による味の違いの基本を押さえるとともに、神戸牛に向いている焼き方について
詳しくお伝えします。

ステーキの焼き方の違いについて

ステーキの焼き方は、火の通り加減でその名称が異なります。「何段階に分けるか」ということについてはケースバイケースですが、3段階もしくは4段階で分けられることが多いと思われます。

まず、レア。 表面だけを軽く焼いた状態を言い、中心分はほとんど生です。弾力に優れており、独特の食感を誇ります。
現在は食中毒の可能性もあるため、古くなった肉では避けた方がよい食べ方です。上質で安全な肉でしか味わえないこと、脂がしっかり入っている牛肉に向く焼き方であることから、ある意味ではこの焼き方は、神戸牛などの一部のブランド牛だけの特権であると言えるでしょう。

ステーキの焼き方の違いについて

次に、「ミディアムレア」。
もっとも一般的で、どんな人でも食べやすく、かつ旨味のバランスもよい焼き方です。これを推奨しているお店は多いと思われます。
中心部には生の部分が残りますがレア肉よりは火が通っており、食べやすいのも魅力です。
また、「ミディアム」という焼き方もあります。これはミディアムレアより少し火を通したときのものです。

最後に、「ウェルダン」。
しっかり焼き上げ、中まで火を通したものです。やや固い食感にはなりますが、「生肉の食感や味が苦手」という人に愛されている食べ方です。しっかりと噛みごたえを楽しめる味に仕上がります。

神戸牛に向いている焼き方は?

焼き方には、個々人の好みが色濃く反映されます。そのため、どれが良い・悪いと言い切ることはできません。
ただ、一般的には、レア~ミディアムレアが推奨されます。
この焼き方は、ステーキ全般をもっともおいしく食べることのできる焼き方であり、また神戸牛ならではの脂の甘みと肉汁のおいしさを味わうことのできる焼き方だからです。

肉の表面の香ばしさと、中心部の柔らかな甘みは、香り高い脂と一体になり、口の中を幸せに導いてくれることでしょう。

神戸牛は非常に脂が多く、火が通るまでに少し時間がかかります。雪月花では、神戸牛を鉄板の隅でじっくりと火を通し、最適な焼き加減でお客様に提供しています。
また、調理に携わる人間は、みな調理歴10年以上の熟練のシェフたちです。彼らが最上の火加減で焼き上げる、あなたのためだけの極上のステーキをぜひ楽しんでいってくださいね。

神戸牛と相性のよい調味料を知りたい!どれが合う?

神戸牛は数ある和牛のなかでも特においしく、その味の良さは多くの人に認められています。
そんな神戸牛にはどのような調味料が合うのでしょうか。それについて見ていきましょう。

食材本来の味をより引き出してくれるこだわりの塩

数ある調味料のなかでも、およそ塩ほど、便利でありながら難しい調味料もないでしょう。かけすぎれば素材の味を壊しますし、かけなさすぎれば味気ない肉になってしまいます。また、その種類も非常に豊富です。

ただ、塩は非常に難しいものではありますが、同時に、肉料理を引き立たせるものでもあります。

当店では、神戸牛を焼くときに、この「塩」に拘って出しています。
使うのは、淡路島でとれた藻塩、あるいは地中海の炭塩です。
百人一首にも歌われている(「来ぬ人を 松穂の浦の夕凪に 焼くや藻塩の身も焦がれつつ」)藻塩は、非常に豊富なミネラル分を含みます。海藻がその原材料となるため、海藻自体が持つ深みが肉の味を引き立たせます。

素材を引き立たせる「塩」について

それ以外にも楽しめる、さまざまな味

神戸牛は、どのように食べてもおいしいものです。
ただ、びっくりする人もいるかもしれませんが、意外なほど「ポン酢」とも合うのです。
神戸牛のおいしさの一つは、その贅沢に入ったサシにあります。しかしこの濃厚さに、少し酔ってしまう人もいるでしょう。
そこで出てくるのが、「ポン酢」です。

ポンズの持ちうる爽やかさは、神戸牛の濃厚な脂をさっぱりと食べやすくさせます。「もう一口」が進む味わいに仕上がるので、これもおすすめです。

また、お店によっては、神戸牛の焼肉用に特別な焼肉のたれを打ち出しているところなどもあります。

ここでは「神戸牛の調味料」についてとりあげましたが、当店では、イセエビやアワビやフォアグラといった食材も取り扱っています。しっかりと身を詰まったイセエビには、定番のレモンや、エビの風味が漂うタルタルを合わせてお出ししています。牛肉に合わせた藻塩は、同じ海の食材であるアワビによく合います。
フォアグラには、甘みと同時に、果物ならではの爽やかさを併せ持つカシスを使って作り上げたソースを添えています。

調味料一つで味は大きく変わるもの。
その不思議さもまた、料理の魅力と言えるのかもしれません。

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